ものがたり文化の会とは

ものがたり文化の会は、1982年より、ものがたりの力を栄養にしてこどもたちを育む活動をつづけています。
なかでもとくに、美しくユーモアあふれる宮沢賢治の童話を<最良の遊び場>と考え、とりあげています。

テーマとなるものがたりを決め、声にだして読んだり、わからないことを調べたり、絵を描いてみたり。おしゃべりや寄り道もしながら、ものがたりを囲んで話しあいを重ねます。
そこから学んだことや感じたことを、言葉と動きにのせて「人体交響劇」をつくりあげます。

各地にある活動の場は「パーティ」と呼ばれ、おとなの指導者(テューター)のもと、さまざまな年齢のこどもからおとなまでが集まります。
家庭や学校とはまた別の出会いやつながりのなかで、考える力、表現する力、コミュニケーション力が養われていきます。

人体交響劇は衣装も道具も使わず、声と身体だけで演じる表現です。
ものがたりに登場する生きものになったり、風や雲、光になったり、また直接描かれていない小さな存在や心情の表現にもとり組みます。場面ごとに役割を変え、さまざまな角度からものがたりを体験します。劇の創作はみんなで相談しながら進めるため、意見や個性を交わしながら、互いに納得できるかたちを探り、表現をつくりつづけていきます。
つづけていくうちに、朗読や身体表現の技術だけでなく、自ら考え、対話し、一つのものがたりをつくり上げていく力が、ゆっくり着実に育っていきます。

宮沢賢治の童話には、鉱物・天文・動植物など、自然科学のたくさんの知識、そして豊かな言葉が詰まっています。ものがたりをきっかけに興味の対象が広がり、わからないことを自ら学ぶ経験を重ねていきます。
図鑑で調べたり、本物を見にいったり、実際につくってみたり、文字で読むだけではなく具体的な体験を積むことで、実感をともなった創作につながります。

キャンプ、合宿、発表会など、
ふだんの活動のほかにイベントも開催しています。
地域をこえて新しい仲間をつくるよい機会になります。

年中行事として、スプリングキャンプやテーマ活動合宿といった宿泊プログラムがあります。小学生からおとなまでが参加し、寝食をともにしながら、ひとつのものがたりを数日かけてつくりあげていくイベントです。

その中で若者たちはリーダーとして仲間たちに語りかけ、意見を聞き、まとめ、場をつくっていく役割を担います。中学・高校生の頃からこうした経験を積みかさね、大学生や社会人になるとイベントの企画や運営にも関わるようになります。

・テーマ活動合宿(8月)
・スプリングキャンプ(3月末)

パーティごとの発表会、合宿やキャンプの最終日に行われる仕上げの発表会。また年始に複数のパーティが集まる「年始発表会」も開催されます。活動の成果をたくさんの観客の前で表現する経験は、こどもたちにとって大きな自信につながります。また他のパーティの発表に触れるという経験も、自分たちの表現を広げていくためのよい刺激となっています。

・年始発表会(1月)

作曲家・新実徳英さんが作曲し、会の創設者である詩人・谷川雁さんが作詞した合唱曲集「白いうた青いうた」。会のこどもたちに贈られたこの曲集は、今では広く歌われています。もちろん会の中でもふだんの活動や行事など、さまざまな場面で歌い楽しんでいます。

三世代リレーからの贈物 谷川雁

俳人の川田由美子さんの指導のもと、パーティ活動やキャンプ、合宿などで俳句を詠んでいます。小さな発見が十七文字の言葉にこめられて作品となります。互いの俳句を鑑賞しあう俳句会も定期的に開催しています。

ものがたりを読みイメージを広げながら、絵画や造形として表現していきます。つくることで、ものがたりをより深く味わい理解することにもつながります。「つくる人になろう」を合い言葉に、会が主催する芸術祭では賢治童話の絵本やCDづくりも行っています。

「ものがたり文化」ということばを用いたのは

「ものがたり文化」ということばを用いたのは――人間文化の核はある規範でもなければ尖鋭な技術でもなく、巨大無名の生活に「ひとしずくの全体」としてしたたりおち、ひろがった物語であること、人生の意義はかろうじてその香気をかぎとり、共通の経験という新たな物語を編んでいくときに周りから与えられる一片の役割にあること、この目的を酸敗させない唯一の保証は、おとながまともにこどもとの共生をめざすほかにないこと、といった私たちの熱い思いを下敷きにした結果です。(谷川雁「ものがたり文化の会趣意書」より(1982年))

組織概要

ものがたり文化の会は、活動全般を行う「任意団体ものがたり文化の会」と、CD・絵本・雑誌などの出版を主業務とする「有限会社ものがたり文化の会」の二つの組織から成り立っています。

※入会して会員となられる場合、任意団体の会員ということになります。
※ものがたり文化の会事務局は、有限会社と任意団体の両方の窓口を兼ねています。

 会社名

有限会社ものがたり文化の会

 代表取締役(3名)

根本千絵 林陽一 田辺杏子

 設立

昭和56年6月20日

 所在地

東京都千代田区西神田2-4-1 東方学会本館


 団体名

任意団体ものがたり文化の会

 理事

根本千絵 林陽一 田辺杏子 大西邑子 伴和彦
長坂康史 京徳治 篠部俊一 竹下洸 根本佳奈

 所在地

東京都千代田区西神田2-4-1 東方学会本館