東日本大震災復興支援
賢治さんの童話を贈ろう!

 

 東日本大震災─ かつてなかった困難と不安にさいなまれるいま、宮沢賢治童話に親しんできた私たちが復興のためにできることは何だろうか。答えは簡単ではありませんが、賢治さんの言葉からその精神を読みとり、たくさんの人と共有してゆくことが、さまざまな絶望を乗りこえ明るく生きていく糸口になるという思いは、いっそう強まります。

 賢治さんは童話集『注文の多い料理店』について「わたくしは、これらのちひさなものがたりの幾きれかが、おしまひ、あなたのすきとほったほんたうのたべものになることを、どんなにねがふかわかりません」と語っておられます。この言葉が関東大震災から数ヶ月後のものであることも、ただの偶然として受け流すことができないくらい、いま時を越えて賢治さんにあと押しされているようでなりません。

 困難なときこそ「ほんたうの食べ物」をどんな人でも手にとることのできる幸せを願って、ものがたり文化の会は賢治童話を被災地に贈る活動を始めます。たくさんの方の参加をお待ちしております。



【1】寄付をする--寄付金の募集

賢治童話(ものがたり文化の会の出版物)の購入費、送料等に充てられます。
少額からでも参加できます。

寄付金の送り先:ゆうちょ銀行 00100-7-95949 ものがたり文化の会

払込用紙の通信欄に「復興支援」と明記するか、FAX、Eメール等で参加の意向をご連絡ください。
送金手数料はご負担ください。

※この寄付金の一部を「イーハトーブ復興支援義援金」(宮沢賢治学会イーハトーブセンター が呼びかける、
震災被害を受けた地域へ本を届ける活動)へ送りました。




【2】届ける場所を知らせる--贈り先情報の募集

被災した地域の図書館や学校図書館、その他公共の図書館や図書コーナーに、絵本・CD(リスト)*実費と『賢治童話全集』(全6巻)*無料を進呈します。みなさんの情報網や ネットワークやから、贈呈先をお知らせください。



※2012年6月より、物語活動の体験(ワークショップ)のお届けも始めました。


問い合わせ、参加申し込みはものがたり文化の会まで。募集チラシはこちら


◆支援の様子


【ワークショップ】
7月14日(土) 宮沢賢治童話をからだで読もう!
時間:13:00〜15:00
場所:ふれあいエスプ塩竃

図書を届けた「エスプ塩竃」さんでの出前講座です。千葉県のねもとパーティが中心になって企画する、
親子で楽しめるお話ワークショップです。
対象:小学生(親子でも子どもだけでもOK)、幼児(3歳〜親子で)
参加費:無料




【図書寄贈】

・岩手県大槌町

森の図書館」に、賢治童話全集と絵本CDを寄贈しました。
(2015/09/24)

・岩手県釜石市
「みんなの家 かだって」 の図書コーナーに、賢治童話全集と絵本CDを寄贈しました。
(2014/10/24)
釜石まるごと情報WEB”Cadatte”で紹介していただきました。


・岩手県大船渡市 
 市立図書館、赤崎小、越喜来小、綾里小、大船渡小、越喜来中、赤崎中 に賢治童話全集を寄贈しました。 

(2014/8/24)


☆赤崎小学校よりお手紙をいただきました。(2014/9/8)
先日はこどもたちのために、宮沢賢治童話全集をお送りいただき、本当にありがとうございました。
本校は、東日本大震災で校舎が被災し、隣の小学校に間借りしております。したがって、通常の図書室は本校にはありませんが、もらい受けたプレハブを図書ルームとして活用し、少しずつ蔵書を増やしております。
宮沢賢治は、岩手が世界に誇る素晴らしい作家です。子供たちも宮沢賢治童話を誇りに思い、その作品に親しんできました。今回いただいた全集も、子供たちの今後の人生において得難い思い出の本となると思います。
大震災から3年半が経過していますが、復興はまだまだの状況であり、震災によって失われた校舎の建築も、やっと校地となる高台の整備が始まった段階です。様々な課題はありますが、子供たちが、毎日元気に明るく過ごしてくれていることが、私たちの何よりの喜びです。
皆様が被災地のことを忘れず、子供たちに温かい心情をお寄せ下さることに、心より感謝いたします。

☆越喜来小学校よりお手紙をいただきました。(2014/9/16)
届けていただいた本は早速本校の図書委員会の子どもたちの手により、図書室の本棚に並べ、みんなが手に取れるように、そして家に持ち帰って読めるようにしたところです。今日も一冊の本が貸し出し中になっていたようです。きっと子どもたちも興味深く宮沢賢治さんの童話の世界に浸っていることと思います。
本校の子どもたちは、本好きの子が多く、教員が浅野短い時間を利用して行う読みきかせや、子どもたち同士で本の紹介や読書祭り、読みきかせなどに、とても興味深く関心を示してくれます。
これからも私たち教員は、東日本大震災からの復古言うと子どもたちの心を支える教育活動の充実のために心を尽くして参りたいと考えております。
図書委員の子どもたちもお礼の手紙を書きました。ご覧いただければ幸いです。
※こどもたちの手紙は、会誌『十代』34巻4号に掲載されてます。

☆大船渡小学校よりお手紙をいただきました(2015/1/26)
震災後4年近く経つ今も被災地である大船渡市のことを忘れずにいてくださり、そのお気持ちがこのような形に表れ、図書をお届けいただきましたことに、被災地にいる私たちは勇気づけられる思いでいっぱいです。しっかりと受け止め、今後の教育活動に生かして参りたいと考えております。(中略)
本校では5年生41名が種山ヶ原で宿泊研修を行っており、その後、宮沢賢治についての学習を深め、学習発表会では、「グスコーブドリの伝記」のお話を中心に賢治の生き方について紹介する劇に取り組みました。そのようなこともあり、特に5年生の子どもたちが大変喜んでおりました。
店舗等も建ち始め、大船渡市全体の復興も少しずつ進んできております。今後子どもたちがこの震災に負けることなく生きていくことが出来るよう、豊かな人間性の育成に職員一同精進して参りたいと存じます。



・岩手県住田町 
 町の図書室 に賢治童話全集を寄贈しました。 
(2014/8/23)


・岩手県陸前高田市 
 市立図書館、ちいさいおうち、コミュニティ図書館、にじのライブラリー に賢治童話全集と絵本CDを寄贈しました。
 
(2014/3/14)



・岩手県陸前高田市 
 広田小、高田小、小友小に賢治童話全集を寄贈しました。
 (2013/3/7)

☆小友小学校よりお礼の手紙を受けとりました。
 あの震災から二年になります。本校は校舎1階が150センチの高さまで、体育館はステージまで浸水し、校庭の設備はすべて流失してしまいました。児童の3分の1の家庭が被災し、仮設住宅での生活を余儀なくされています。
  しかしお陰様をもちまして、当地も復旧のきざしが見えて参りました。被災した体育館の床の張り替え工事が終わり、先々週から使用が始まりました。また校庭の復旧工事が始まり、5月の運動会に向けて急ピッチで工事が進められています。頂戴しました本は、読みきかせ等で活用させていただきます。ありがとうございました。

☆広田小学校よりお礼の手紙と写真を受けとりました。
 震災当時、本校は地区の避難所や診療所、公民館、中学校が同居する「多機能複合施設」の役割を担うことになり、戸惑いの中で学校を再開してまいりました。そのような中、地域の方々の絶大なるご理解と献身的なご協力のもと、子どもたちはもちろん、保護者の方々や教職員が一丸となって、日々の教育活動を営んでいるところでございます。
 広田の町は2年が経った今も、大震災の爪痕が多く残っております。復興に向けた取り組みはまだまだ始まったばかりではありますが、児童・教職員一同、地域の方々とともに、一歩ずつ確実に前へと進んでおります。皆様からいただいた善意を心に刻み、これからの復興に向けて歩んで参ります。


・岩手県大船渡市 
 県立高田高校に、賢治童話全集を寄贈しました。 
2013/3/7


・宮城県女川町 
 「つながる図書館」に、賢治童話全集と絵本CDを寄贈しました。 
(2012/11/14)

☆教育委員会よりお礼の手紙を受けとりました。
 女川町では大津波によって生涯教育センター内にあった女川町図書室の蔵書すべてを失ってしまいました。しかし全国のみなさんのご支援により、震災後約1年を経過した3月23日に本町の図書館活動の拠点として「女川つながる図書館」をオープンし、新たなスタートを切ることができました。子どもたちのための「絵本の部屋」、大人のための「読書の部屋」、そして親子でくつろげる遊びのスペースまで備えたこの場所は、開館以来徐々に利用者も増え、町民の憩いの場となってきています。
  また4月下旬からは移動図書館車で、町内外に分散している仮設住宅等合計22箇所を2週間に一度回り、図書館までなかなか足を運べない町民の要望にも応えられるように努めているところです。
  今後もさらに蔵書の充実や利便性の向上に努め、女川町の復興推進に努めていきたいと考えておりますが、まだ整備も十分とは言えない状況にあります。今後ともご理解、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。


・宮城県石巻市 
 市立渡波小、雄勝小に賢治童話全集を寄贈しました。
 
(2012/10/31)

☆渡波小よりお礼の手紙を受けとりました。
 昨年8月末から現(稲井小内)仮設校舎での授業を行っています。授業再開後、多くの皆様方からご厚意の教材・教具や義援金の支援を受けながらのスタートでしたが、児童が一つになっての学校生活ができるありがたさを実感しているところです。(中略)
 今年度は児童数257名、12学級、教員数25名でのスタートとなりました。「できることから確実に実践する」をモットーに、児童が成長できるよう、授業づくり、学校づくりを進めていく所存です。仮設校舎での授業が平成25年度まで続きますが、児童にはしっかりと目標をもたせ、確かな学力を身につけ、感謝の心を忘れることなく生活できるよう、指導して参ります。 今度とも渡波小学校を見守り励ましていただけますようお願い申し上げます。



・宮城県石巻市・東松島市 
 石巻市立湊小、湊第二小、住吉小、釜小、門脇小、湊中、石巻赤十字病院内・図書館、
 東松島市立浜市小学校に賢治童話全集を寄贈しました。
 
(2012/07/16)

☆石巻赤十字病院の院長先生よりお礼の手紙を受けとりました。
 平成23年3月11日の未曾有の大震災から一年が過ぎ、皆様から頂いたご支援や心温まる励ましの御言葉に支えられ、災害拠点病院として救護活動を続けてまいりました。大津波の爪あとが残る中、当院は震災前の落ち着きを戻し、また平成24年3月1日には50床の仮設病棟が稼働し、地域医療の復興に向けた活動を続けております。ご寄贈品につきましては院内の患者様の図書コーナーにて閲覧していただきたいと思います。
(2012/07/30)

☆浜市小学校の校長先生よりお礼の手紙と子どもたちのうたとメッセージの入ったDVDなどを受けとりました。
 3月11日の東日本大震災では浜市小学校は津波により一回が水没し、校舎、体育館に大きな被害が出ましたが、幸いなことに、自動・教職員は全員無事でした。 現在は々中学校区内にある東松島市立小野小学校の三階を間借りして教育活動を進めております。
 震災から間もなく一年半が過ぎようとしています。地域の様子は、復興に向けて熱い気持ちで頑張る人々の力によって、大きく変化してきております。浜市小学校では、これまで大きな支障が出ずに子どもたちは元気に教育活動ができております。これもひとえに日本国内外の皆様から、たくさんの温かい励ましや、ご支援をいただいたたまものと深く感謝申し上げます。
(2012/09/14)



岩手県釜石市 
 唐丹小、鵜住居小、唐丹中、釜石東中に絵本とCD、賢治童話全集を寄贈しました。
(2012/05/16)


福島県いわき市 
 永崎小、豊間小、四倉中、豊間中に絵本とCD、賢治童話全集を寄贈しました。
(2012/04/05)

☆豊間小学校の校長先生より、お礼の手紙をいただきました。
 「4月6日には1年以上離れていた母校において、始業式、入学式を行うことができました。入学予定者は当初30名のはずでしたが、実際には10名の入学生となりました。しかし本校には震災後も傷跡残るこの地で、がんばって生活されてきた方々からは、これでようやく子どもたちの明るい声が聞ける、街に光がさし込んだようだと喜びの声も聞かれました。(中略)
  今月は運動会の月です。紅白対抗で競い合う方法は従来通りですが、真っ赤な太陽(勇気の象徴)と白い灯台(希望の光を放つ源)チームに分かれ、それぞれが将来どんな困難に遭っても勇気と希望を持ち互いに励まし合ってたくましく生きるための教育の場と、運動会を捉えなおしました。両チームの名称は本校校歌から引用しました。」

入学式の様子がいわき民報(4月6日)に掲載されています。



宮城県東松島市・塩竃市 
 東松島市図書館、えすぷ塩竃図書館、遊学館に絵本とCD、賢治童話全集を寄贈しました。
(2012/02/29)

東松島市図書館よりお礼の手紙をいただきました。
 「少しずつではありますが、前進する様子をご覧いただければ幸いです」と、
 震災特集号の市報などを送ってくださいました。



大槌町立の各小学校 
 楢ノ木会員2名が教育長を訪問し、市内の全小学校に賢治童話全集を寄贈しました。
(2011/08/14)
(訪問記は、雑誌『十代』をご覧ください)

☆吉里吉里小学校の校長先生より、お葉書をいただきました。
 「高学年の子どもたちは、さっそく郷土の国民的詩人であり作家である
  宮沢賢治の本を手に取り、読書に励んでおります。
 賢治の精神は、今こそ大切にしていかなければならないものだと考えています。
 /子どもたちは震災に負けない意気込みで、真剣に学校生活を送っています。 」



仙台市立中野小学校(中野栄小学校内) 
 会員が学校訪問し、絵本とCD、賢治童話全集を寄贈しました。
(2011/08/14)


名取市立閖上中学校(不二が丘小学校内)
 根本テューターが訪問し、全集を寄贈しました。
(2011/07/13)

 1階部分が流されたという閖上小・中学校に電話をして状況を伺いました。どちらも図書室は2階で無事で、小学校は現在間借りしている不二ケ丘小学校に本も少し持って来ている、中学校は踊り場に本を置いて貸し出しもしているとのことで、全集を送りたいといったら了承してくれました。
 東北新幹線乗り放題1万円のJR東日本パスで仙台福島日帰り訪問。荒浜から閖上まで津波のツメ跡を見ながら閖上中学校へ。避難している不二ヶ丘小学校の駐車場で、これから出張に出る校長先生の車を止めて、宮沢賢治童話全集を渡しました。わざわざ…とすごく喜んでくださいました。夏休みの貸し出しなどに使ってほしいと後日お手紙で伝えました。



郡山市「ビッグパレットふくしま」(避難所)
 小泉テューター、根本テューターが訪問し、全集を寄贈しました。
(2011/07/13)

キッズルームにいた子どもたちはほとんど仮設住宅に移れた子たちで、避難所は児童館のような役割を果たしていました。ちょうどこの日は、子どもたちに絵本を読むボランティアを募集中だったので、小学生に絵本を読んで、そのあと相撲を見ているおばあちゃんたちの肩たたきをしてきました。福島県は自然に囲まれ空気は新鮮なのに、なぜこうならなければならないのかとやり場のない思いでした。(小泉)



【イーハトーブセンターより】 2012/03/13

このたびは宮沢賢治学会イーハトーブセンターが呼びかけております「イーハトーブ復興支援義援金」の募金にご協力を賜りありがとうございました。厚く御礼申し上げます。

本会の募金はこのたび締め切りましたが、貴会をはじめ多くの方々のご支援をいただき私どもの予想を超える多額の募金が寄せられました。先般2月中旬に岩手県沿岸の6市町村14箇所の学校、図書館に、賢治の絵本など70冊をそれぞれ贈呈してまいりました。

今回の寄贈は予定の半分ほどですので、今後受け入れ機関を探しながら、贈呈を続けていくことになります。貴会と連携できるような機会がありましたならご連絡いたしますので、その節はよろしくお願いいたします。

※活動報告は ホームページ に掲載されています。